ジビエについて
ジビエは簡単にいうと、野生鳥獣のお肉のことです。
エゾシカを養鹿(ようろく)して、家畜化した場合、ジビエではありません。
植物でいうところの山菜みたいな感覚です。
家畜肉とジビエ肉は何が違うのか?
【処理方法】
家畜・ジビエ問わず、良いお肉を食べるためには血抜きが十分にされていることが条件になります。
狩猟で捕獲した場合、撃ってからすぐに血抜き出来ないことがあります。
例えば、300m先の獲物に弾が命中したが、回収しにいくと周りの草が高くて発見までに時間がかかった。など
↑こんな感じのところで仕留めると探すのに時間がかかります。
また、仕留めてから内臓がずっと入っていると内臓の熱で「蒸れ肉」といわれる状態になり品質が落ちます。
「仕留める → 血抜き → 内臓摘出 → 冷やす」
ジビエではこの流れをどれだけ早く出来るかで品質が変貌します。
「親戚にもらったジビエ肉が美味しくなかった。。」
など、聞きますが、その話は先ほどの流れが迅速に出来ていないお肉の可能性が高いです。
【罠猟に関して】
罠猟は仕留めてから血抜き、内臓の摘出までは早いですが、「罠にかかっている時間」で品質が大きく左右されます。
罠にかかってすぐの鹿であれば、銃で捕る鹿よりも良い状態の場合があります。
しかしながら、そんな場合は滅多にありませんので、暴れて品質は低下します。
罠で捕った鹿を買い取る食肉処理施設は少ないのが現状です。
【安全性】
管理された家畜でも100%安全と言えません。
それがジビエとなりますと、なおのことです。
まずは食べている物を監視していない。
自然界にいる動物ですから、もちろん何を食べているかわかりません。
次にどんな病気・寄生虫をもっているかわからない。
1頭1頭検査していると割高になって皆さまが手に届く価格では無くなってしまいます。
その対処法として、熱処理になります。
温度 | 65 | 66 | 67 | 68 | 69 | 70 | 75 |
時間(分) | 15 | 11 | 8 | 5 | 4 | 3 | 1 |
↑仮に病気や寄生虫を持っていた場合でも加熱処理すれば安全に食べられる(死滅)基準となります。
家畜化されていない時代、ジビエしか存在していませんでした。
現代では家畜とジビエと分けられていますが、同じお肉です。
両方共に適切な処理をして食べる分には何ら違いがありません。
現在、エゾシカによる被害が拡大する一方となりますので、今食べているお肉を鹿肉に変えて頂けるとより一層被害が抑えられるかと思います。
需要のご協力をお願い致します。